お花の打合せも終わった
席次も決まった
引出物も手配完了
結婚式前にハワイで撮影してくる!
というふたりを送り出す前の打合せの日に、新郎さんが話してくれました。
「母が結婚式に来られなくなりました」
お父さんとお母さんは別々の道を歩んでいて
でも当然、大切な両親であることに変わりはなくて
結婚式にもふたり揃って来て欲しくて
でも実は、招待状を渡すより前に一度
「私は遠慮しておくわ」とお母さんは言ってて
でももう一度お願いして
「行くね」と招待状を受け取ってくれてたけど。
「私はもう、家を出た身だから」というお母さんに
もうこれ以上お願いできない。
無理にお願いしたせいで
お母さんをずっと悩ませてしまった。
「だから、母は欠席でお願いします」
このおふたりの結婚式からずいぶん時間が経ったけど、忘れられないエピソードとシーンがたくさんあります。どれだけお母さんのことが好きで感謝しているかの話はたくさん聞いていたし、だからどんな思いで「欠席です」と話してくれたのか。そしてそれ以上に想像してしまったのは、手元にある結婚式の招待状の日付になったとき、お母さんはどこでどんな思いで過ごすのかなってこと。すごく苦しい。例えば私がリキトやえーたの「その日」にそばにいられなかったら、すごく苦しい。だから「分かりました」と言って、席次表からお母さんの名前を消す気にはなれなかったし、新郎さんが選んだお母さんへ贈る花束をキャンセルする気にもなれませんでした。(でも、親戚に会いづらいってお母さんの気持ちも分かるよね)
「本当は来てもらいたい」というふたりの気持ちを確認して、お母さんの携帯番号を教えてもらって「ちょっとの可能性を、私に預けて!」と言って、ふたりをハワイへ送り出しました。ベストが分からずクラクラしながら。考えて考えて、お母さんにお電話しました。「直前に変更してごめんなさいね!後で写真を見せてもらうから、私はいいの」と、想像してたのと全く違う明るい声を聞いたら、もしかしたら私は、とんでもないお節介をしてるんじゃないかと怖くなりました。この時はもう、プランナーとしてじゃなく「お互い、子を持つ母」として「挙式リハーサルに参加して欲しい」とお願いしました。リハーサルならご親族と顔を合わせることもないし、ふたりの挙式を特等席で見ていただけます。私のでしゃばりは許されることだったのか未だに分からないけど、結婚式当日「大橋さん、ありがとう!」と大きな箱のお菓子をくれたお母さんが、ふたりの写真をいっぱい撮って、すごく嬉しそうで、親子の特別な時間が確かにそこにあったことを思うと、きっと良かったんだと思います。

会場はホテルだったから、どこで誰と顔を会っちゃうか分からなくて、だからスタッフ用の裏階段を5階まで上がらなくちゃいけなくて「お母さん、大丈夫ですか?」「もうちょっとです!」とかって声を掛けながら一緒に上がったんだけど、いつの間にか軽やかに抜かされてたよ。ぜぇぜぇいってたのは私だけだったんだけど、どうしてでしょうね?笑
コメント