欲張り鹿児島旅レポ②(知覧特攻平和会館)

知覧は1度の記憶ではなく「一生に一度は行った方がいい」と聞いていて、「特攻」というどこかフィクションのようにも感じる世界が、確かに今と繋がっていた現実だったと思うと、すごく怖かったです。あ、もうすぐ着くんだなと分かったのは道路の両脇に石灯籠が並んでいたからで、木々がトンネルみたいになっていて、そこに石灯籠がずっと続いていて、吸い込まれるみたいに駐車場に着きました。500円の入館料を払って、音声ガイドを200円で借りて、パッと振り返ったら大きなタイルの絵があって、正確にはまだ中に入ってないその場所でもう動けなくなってしまいました。館内に入ったら左右の壁は一面、軍人さんの遺影で。遺書とか死亡通知書とか軍服とか、海底から引き上げられた戦闘機もあって。って、つらつら書いてるけど、実際は泣いて泣いて動けなくて、10m進むのに30分くらい?でもわたし、ひとりで行ってるし、ひとりで号泣って恥ずかしいなって「音声ガイド3番」までは思ったけどその後は「ここはひとりで来るべきだ」って思いました。たくさんの遺書はどれもが達筆で、「この一生、大変幸せでした」と書いた軍人さんが19歳だったり、「この幸せな時代に生まれたことに感謝します」という文に目を疑ったり、全てに共通しているのが「育ててくれたことへの感謝」「親孝行できなかったことへの謝罪」「この任務への誇り」「自分ならやれるという自信」「残される者が幸せでありますように」でした(1枚だけちょっと幼い字で書かれたものが「母からの手紙」だったことに、さらに時代背景を知りました)。わたしのカンペキな旅プランでは滞在時間を1.5時間にしていたんだけど、閉館の17:00が近付いてもまだ5分の1くらいしか回れてなくて、その間わたしはただ泣いてるだけで、これはどういうことだったのか、この時代に触れてじぶんは何を感じるのかちゃんと考えたいのに泣いてるだけで、「あーー、なんか泣けたわ」で終わりそうなのがマズイと思って、翌日の予定を変更してまた来ることにしました。翌日、また音声ガイドを借りたらスタッフさんが「昨日も来てましたよね?」って声をかけてくれて少し話して、今日は泣かずにちゃんと考えながら見ようと決めたのに講和を聞くことが出来て、そこで嗚咽しながら泣いてしまって、わたしはもっと冷静に向き合うことが出来ると思ってたのにって。講和の後「ありがとうございました」って泣きながら近づくわたしに、お話をしてくれた男性はちょっと引いてたかもしれないけど、結局音声ガイドは最後の26番(ちょっと曖昧)まで聞けなくて、帰りの飛行機に間に合わなくなりそうだったので出口へ向かいました。帰り際、入口で声をかけてくれたスタッフさんが「ちゃんと見れた?」って声をかけてくれて、わたしが聞いた講和は本当は今日は中止の回だったと教えてくれて、「これ、あげる」って封筒を握らせてくれました。知覧から帰って、平和会館で買った本を読みながら、どういうことだろう?って謎が残ってた「永遠のゼロ」を3回観て、少しずつ理解を深めようとしています。





今、思うのは、「かわいそう」とは思わないということ。限られた情報の中、そんな情勢の中、自分の使命を理解して誇りを持って、きっといろんな葛藤の中でそれを果たすことに夢中で、短い人生を一生懸命生き抜いた人たちを「かわいそう」で片付けるのはとても失礼だと。誰かの人生をジャッジする権利なんて誰にも無いし、今、わたしたちは負けないくらい夢中で生きているのかな、とも。そして「白黒写真なのに盛れてるじゃん」って、学校行事?で来てた学生さんたちの言葉も仕方ないと思えます(でも、いつかきっと)。
ただ、今回知ったあの時代は、残酷なまでに選択肢が無かった。
情報と選択肢が溢れる今、わたしたちはどう生きる?

カンペキだと自画自賛し続けた旅のプランも、砂むし風呂と蒲生の大クスには行けなかったし、霧島神宮も駆け足で裏手の目的地へ行くので精一杯でした。ほんとうに行ったんだなーって、不思議な余韻に包まれながら、また行く楽しみが出来ました(霧島神宮の入口で買える焼きドーナツも食べたい!)。今回、鹿児島へ行くきっかけになったのはIWPAの総会に出席するため。独立するときに大きく背中を押してくれた存在で、ほんとうに感謝しています。そして、先月の新郎新婦である陸さんと美新さんの出身地ってこともあって、事前にいろいろ教えてもらえました。このタイミングだったことも、何かの縁を感じます。大好きな場所が増えて嬉しい。出会ってくれた皆さま、ありがとうございました!

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