「結婚式はしなくてもいいかなぁって考えていました」
とっても上品で礼儀正しくて、凛とした姿からご家庭の様子まで透けて見えそうな新婦 涼夏さんが、初めてお会いしたコメダで、「こんなこと言っちゃダメかな?」と目線で訴えながらもそっと話してくれました。新郎 悠太さんも黙ってコクリ。でも、こうしてわたしとの時間を取っているということは、それを結論として着地させるには何か引っ掛かりがあるということ。それを紐解くことがスタートでした。
わたしは、結婚式は無理矢理やるものではないと思っています。やらない選択がふたりにとってベストならば、それをオススメします。でも、ふたりは違いました。ふたりを囲む友達や家族を、どれだけ大切に思っているか。結婚という節目を、どれだけ大切に残したいと思っているか。結婚式をした方が良いんじゃないかと言う親御様の気持ちを、どう汲み取っていこうか。ただ、「やりたいと思える結婚式を知らない」。
どんな結婚式が叶うのか、ふたりには何が似合うのか、そんな話をじっくりして、最終的なお返事はお持ち帰りいただきました。「やっぱり、結婚式、やります!」とお返事をいただいてからはもう、「やらない選択」が無かったように全力で結婚式に向き合ったふたり。やっぱり、腹落ちした人は強い。迷いがない。
初めてお会いした時に感じた「透けて見えるような家族の様子」は想像以上で、何度もご両親にも打合せに参加していただきました。ドレスショップの後に「もう少しだけ」と食事をしながら打合せの続きをしたときは、お父様とわたしでスパークリングのボトルを2本空けちゃったのは初めての経験。笑
あぁ、ほんとうに楽しかったな。嬉しかった。みんなで味わい尽くした結婚式っていう表現がピッタリでした。
ウェディングドレスは、新婦お父様が「これが似合う!」と即決して購入してくださったもの。カラードレスは悠太さんに内緒にしたくて、当日の反応を楽しみにしようと言っていたけど、ファーストミート的なものって時に「反応を求められるプレッシャー」に耐えられるか問題があるから、お色直し入場を別々にして、ゲストと一緒に初お目見えにしました。新婦入場前に「先日、夢に出てきたから分かる」と言っていた悠太さんの「お告げ」は見事に外れて、お告げ以上に煌びやかな涼夏さんにうっとりでした。
結婚式の目的の1つは「親孝行」。これほどまでに、確かな目的はありません。大切な家族が、そして友人が、目の前で楽しんでくれている。その姿を見て感じる幸せは、絶対的な愛情です。愛に満ちている。
後日、涼夏さんご実家での「この日の映像上映会」にお招きいただきました。お父様とまたいっぱいお酒を飲んで、余韻まで華やかな結婚式。これを書いていたら、またご家族に会いたくなりました。