21時にしっとり読む「結婚式のおはなし」

Kanya&Yukine

山のてっぺんで結婚式を叶えたふたりは、人生を味わうセンスに溢れるスーパーマンだった

今、ここにある幸せ

実家が岐阜の、新郎 幹也さん。実家が三重の、新婦 幸根さん。そして現在は東京住まい。そんなおふたりが望む舞台は「3つの地点を結ぶ場所」でした。その舞台として相応しい場所はどこか。めちゃくちゃ考えて、候補に挙がったのは岐阜・金華山でした。山頂から眺める景色には、幹也さんのご実家と幸根さんのご実家、そしてその先にはふたりが今を生きる東京が繋がっています。山頂での結婚式(挙式)なんて、私も未体験!叶えられるかなという不安が無いわけじゃなかったけど、ふたりと一緒だったら大丈夫!と思えたのです。許可を得るために関係各所に交渉して、プレゼンして、ありったけの想いを伝えて……今振り返っても、なかなかのチャレンジだったなとニヤリとします。

 

事前に何度か、ロープウェイで山頂に行きました。ロープウェイを降りて少し登ると展望台があって、さらにその上には岐阜城がそびえ立っています。「せっかくだから」と岐阜城の天守閣まで上がることにして、(ちょっと待ってーー!って言っても、ふたりの足取りはほんとうに軽かった!私、口の中、血の味してましたよ?笑)てっぺんのてっぺんから景色を眺めたときのこと。

イヤなことがあったとき
ここから景色を眺めると
また頑張れそうな気になりました。
この景色を見ながら
もっと広い世界へ飛び出したいと
東京へ行くことを決めたんです。

そんな話をしてくれました。岐阜と三重、そして東京。ふたりの幸せは、いつも「そこ」にあったんだと、それぞれの「その時」に想いを馳せながらウェディングの準備は着々と進んでいきました。

野外で挙式をすると決めたとき、覚悟をしなくちゃいけないことは「お天気」のこと。前日、雨だったら。当日の朝、雨だったら。挙式の途中で、雨が降ったら。寒かったら。思いつく限りの状況パターンを想定して、何枚のタイムスケジュールを作ったことでしょう。数ヶ月前、結婚式の日程を決めるとき2つの選択肢が出ました。あのとき「この日」を選んだ時点でふたりの強運は始まっていたんですね。

 

結婚式当日、空が近いこの場所で夫婦となる誓いを交わす2人を見ながら「だから、ここだったんだ」と、新婦お父様が呟きました。ご友人が描いてくれたイラストも、入場シーンのフラッグボーイも、おふたりの誓いの言葉も、駆けつけてくれたご当地武将隊も、もう全部最高でした。全てに想いが込められて、それをちゃんと全員が受け止めて、ほんとうに一体感が素晴らしかったです。

「時間に追われた披露宴はやりたくない。」そんなふたりが選んだのは、金華山の麓で長良川を眺めながら最高のお料理がいただける料亭でした。目の前の鉄板で見たこともないような分厚いお肉を焼いて、美味しいお酒があって。大切な人が勢揃いして、たくさんのお祝いの言葉をいただいて、ムービーで涙して、誰もが「いつもの自分」で楽しめるあたたかな披露宴でした。マイクを持って、とにかく動く新郎新婦。そんな自由な様子がたまらなく、おふたりらしかったです。コロコロと表情を変え全ての感情を素直に表すおふたり。カッコつけずに思いっきり楽しむ姿がカッコよかったです。そしてクライマックスで、背筋がシャンとするような覚悟を伝えられる時間は「結婚式の本質」を見ているようでした。

無事におひらきを迎え、二次会にも少し参加させていただいて無事、私の任務は完了しました。安堵感と寂しさに包まれる、言葉に出来ない瞬間。披露宴おひらきから約5時間後、
少しだけほろ酔いの私たち3人が、小雨が降ってきた中泣きながら抱き合っている光景は、何も知らない人から見たら不思議だったよね。笑

 

これから先、きっと私は何度も何度も、この日のことを思い返して勇気づけられるでしょう。誇らしい気持ちになるでしょう。きっとその気持ちが、私の原動力になっていきます。こんなに素晴らしい絆をありがとうございました。

幹也さん 幸根さん
心から、おめでとうございます!

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